Zum Inhalt springen

こんなことが起きたらどうする?起こりやすいお散歩トラブル

散歩でにっこりコーギー
Expert's Guide

こんなことが起きたらどうする?起こりやすいお散歩トラブル

愛犬との大切なお散歩の時間。しっぽを振って楽しそうに歩く姿を見るのはとても愛おしいものですが、外に出ると予期せぬトラブルやアクシデントにヒヤッとすることもありますよね。
「もし何かあったらどうしよう」「対策はできているかな」と、少し不安に感じることもあるかもしれません。
今回は、お散歩が愛犬にもたらす意味や、起こりやすいトラブルとその対策について、獣医師の葛野莉奈さんに詳しく伺いました。

 

散歩は必要?不要?

「毎日必ずお散歩に行かなければならない」と思っていませんか?


お散歩の役割と、状況に応じた柔軟な判断について考えてみましょう。


お散歩は本当に必要なものなのでしょうか?


飼い主さんとの信頼関係を築くために必要


お散歩は単なる運動不足の解消だけではなく、飼い主さんと愛犬の絆を深める特別なコミュニケーションの時間にもなり得ます。


家の中という限られた空間から出て、外の世界を一緒に歩くことで、愛犬との信頼関係をより強いものにできるかもしれません。


また、お散歩は愛犬の健康のバロメーターにもなります。


「いつもより歩くペースが遅いな」「なんだか元気がなさそうだな」といった、歩き方や様子の変化から体調の異変にいち早く気づくことができるのも、毎日のお散歩の大切なメリットです。


体力の発散や気分転換を兼ねて、愛犬と一緒に楽しむ時間にしていきましょう。


社会化のためにも大切


特に社会化期と呼ばれる子犬の時期のお散歩は、将来の暮らしやすさを左右するほど大切です。


外のにおい、車の音、家族以外の人や他の動物との接触など、様々な刺激に少しずつ慣れていくことで、人間社会に適応する社会化能力が養われます。


ただし、お散歩には注意すべき点もあります。


犬の性格やこれまでのトラウマなどの経験によっては、外の世界に強い警戒心を抱く子もいます。


無理に怖がる場所へ連れて行くと、恐怖心から問題行動や予期せぬトラブルに発展してしまうケースも少なくありません。


もし愛犬がお散歩を極端に怖がったり、お散歩中にパニックになったりする場合は、無理をせずドッグトレーナーや獣医師などの専門家に相談し、適切な指導のもとで少しずつ慣らしていくことを心がけましょう。


犬の状態、気候などによっては不要


お散歩は決して義務ではありません。


愛犬の状況によってはあえて行かないという選択をすることも大切です。


例えば、元気がない、下痢や嘔吐がある、怪我や病気の治療中であるといったように体調が優れないときは、何もり安静を優先してください。


このような健康問題が関連するお散歩の判断は、かかりつけの獣医師に相談して適切な方法や時間を確認するのが一番安心です。


また、シニア期や病気などで歩行が難しく運動が適さない場合であっても、無理に歩かせず、ペットバギーに乗せたり抱っこをしたりして外の空気を吸わせるだけでも充分な気分転換になります。


さらに、夏の極端な猛暑によるアスファルトの照り返しで起こる熱中症や肉球の火傷リスク、冬の猛吹雪、あるいは悪天候の際のお散歩は、愛犬の体に大きな負担をかけてしまうかもしれません。


愛犬にとって無理のないお散歩の程度や、最適な運動量を日頃からしっかり把握しておきましょう。


起こり得るトラブルは?

お散歩は楽しい時間である反面、一瞬の油断が大きな事故につながることもあります。


お散歩中にどんなトラブルが起こり得るのか、具体的な例とその対策を見ていきましょう。


咬傷トラブル


お散歩中、通りすがりの人や他の犬に対して、愛犬が突然噛みついてしまう、あるいは逆に噛まれてしまう「咬傷トラブル」は多く見られます。


普段はどれだけおとなしい子であっても、驚きや恐怖、興奮から突発的に攻撃行動に出てしまうことがあります。


警戒心が強い、興奮しやすいなどの愛犬の性格を正しく把握し、他の人や犬とすれ違う際はリードを短く持ち直すなどして、いつでも愛犬をコントロールできるようにしておきましょう。


また、警戒している、攻撃する姿勢であるなどの相手の犬のボディーランゲージにも注意を払い、相性が悪そうだと感じたら距離を取る決断も必要です。


脱走


首輪やハーネスが突然外れてしまい、愛犬がそのまま脱走してしまうトラブルです。

パニックになった犬は呼び戻しに応じないことが多く、そのまま道路へ飛び出して交通事故に遭う二次災害の危険性も極めて高くなります。


脱走の原因の多くは、装着具のサイズの不一致や劣化です。


愛犬の体形や引っ張る力に適したタイプの首輪・ハーネスを選び、指が1〜2本入る程度の適切なサイズに調節されているか、毎回確認しましょう。


また、引っ張る力が強い子や、過去に首輪が抜けそうになった経験がある子の場合は、首輪とハーネスを同時につなぐ「ダブルリード」を取り入れると、万が一の際のリスクを軽減できます。


誤飲や誤食


お散歩中には、道端で出会った犬友達の飼い主さんと談笑していて、つい油断してしまう瞬間があるかもしれません。

しかし、路上にはポイ捨てされたタバコや、除草剤が付着した植物など、犬にとって誤飲・誤食につながる危険なものがあふれています。

人間の社会には、犬が口にすると命に関わるような有害なものが落ちている可能性が常にあります。

そのため、お散歩中であっても決して愛犬から目を離さないように意識することが重要です。

また、万が一何かを口にしてしまったときのために、冷静に吐き出させる、あるいは離させるためのしつけを普段からトレーニングしておくことも身を守る対策になります。

飼い主さんの用意しておくべきこと

お散歩中の思わぬアクシデントを想定して、飼い主さんは日頃からどのような準備をしておくべきなのでしょうか。

いざというときに慌てないための心構えと対策をご紹介します。

受診の準備


もしも誤食をしてしまったり、他の犬とのトラブルで怪我を負ったりした場合、一刻も早く動物病院を受診しなければならないケースがあります。

そのような緊急事態に備えて、普段から病院の診察券やペット保険の保険証といった受診に必要なアイテムを、すぐに持ち出せるようにまとめておくと安心です。

さらに、受診の際のマナーとして速やかに会計を済ませられるよう、最低限の支払いができるよう、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。

トラブルを起こしてしまったときの対処や手続き


万が一、愛犬が他の人や動物を傷つけてしまう側になってしまった場合は、誠実かつ迅速な対応が求められます。

まずは被害に遭われた方や動物の対応や救済を最優先し、後日の補償や経過報告のためにお互いの連絡先を交換することが一般的です。

その後の法的な手続きとして、犬が人を噛んでしまった場合は、保健所などの行政機関へ咬傷届を提出する義務が生じます。

これに伴い、愛犬が狂犬病に感染していないかを証明するための獣医師による診察や検査を受け、その結果を改めて届け出る必要もあります。

こうした一連の手続きや責任が発生することを、飼い主として重く受け止めておく必要があります。

トラブルを防ぐための普段のしつけや愛犬の観察の習慣化


お散歩中のアクシデントを防ぐためには、愛犬が発している小さなサインを見逃さないことが大切です。

犬は言葉を話せない代わりに、怖い、怒っている、悲しい、あるいは嫌だといった感情を行動やしぐさで表現しています。

これらを観察する習慣を日常からつけておきましょう。

体のどこかを痛がっている様子はないか、今日はお散歩に行きたくないと感じていないかなどを行動から把握して配慮することは、愛犬の興奮や警戒のスイッチを押さないための大きな予防策になります。

これらに加えて、興奮しているときに声をかけて落ち着かせるトレーニングや、落ちているものを食べようとしたときに制止する練習、口に入れたものを出させる訓練なども重ねておけると、より安全性が高まります。

まとめ

お散歩は、飼い主さんと愛犬がお互いの信頼関係を深められるかけがえのない時間です。

しかし、どれほどお利口な犬であってもトラブルが起こる可能性はゼロではなく、その瞬間がいつ訪れるかは誰にも予測できません。

あらかじめ起こり得るリスクを正しく把握し、万全の準備を整えたうえでお散歩に出かけることができれば、毎日のお散歩はもっと安心で楽しいものに変わるでしょう。

愛犬の心や体に負担をかけないよう、その子に合わせた適切な量やタイミング、そして正しい方法を見極め、対策を徹底しながら充実したお散歩の時間を過ごせると良いですね。

 

葛野さん、ありがとうございました。
「毎日行かなきゃ」と気負いすぎず、愛犬の体調や天候に合わせて柔軟に判断したり、日頃から小さなサインを観察したりすることが大切なのだと気づかされますね。
万全の備えをしておくことで、予期せぬトラブルへの不安もスッと軽くなるはずです。
最初から完璧を目指さなくても大丈夫。愛犬と飼い主さんにとって無理のないペースで、これからも楽しく安全なお散歩時間を重ねていけますように。