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犬のノミやマダニの予防はいつから?予防期間や感染症を獣医師が解説

犬のノミやマダニの予防はいつから?予防期間や感染症を獣医師が解説

犬のノミやマダニの予防はいつから?予防期間や感染症を獣医師が解説

「うちの子はお散歩のときに草むらが大好きだけど、虫がついたらどうしよう……」
「ノミやマダニの予防って、冬の間はお休みしても大丈夫なのかな?」

愛犬とのお散歩やお出かけを心から楽しみたいからこそ、小さな虫たちがもたらす健康への影響に不安や疑問を抱えている飼い主様は少なくありません。

言葉で不調を伝えられない大切な家族だからこそ、目に見えにくいリスクからどうやって守ってあげればいいのか、悩んでしまいますよね。

今回は、そんな飼い主様の愛犬を想う心に優しく寄り添い、専門家である獣医師の浅川雅清先生にお話を伺いました。

近年の温暖化に伴う予防期間の変化や、ノミ・マダニが媒介する恐ろしい感染症の実態、そしておやつ感覚で与えられるものから皮膚に垂らすものまで、愛犬に合わせた予防薬の選び方をインタビュー形式でじっくりお届けします。

愛犬が毎日を健やかに、安心してのびのびと過ごすためのヒントを、一緒に見つけていきましょう。

── 浅川先生、本日もよろしくお願いいたします。今回は愛犬の「ノミ・マダニ予防」についてお伺いしたいのですが、お散歩コースに草むらが多い飼い主様などは、特にいつから始めればいいのか、本当に予防が必要なのかと悩まれている方が多い印象です。

浅川先生:よろしくお願いいたします。

そうですね、愛犬の健康を守るうえで欠かせない日頃のケアとして、ノミやマダニの予防があります。

これらの予防を行うにあたって、

「いつから予防薬を始めればいいの?」
「そもそも予防する意味はあるの?」
「ノミやマダニはどのような感染症を持っているのだろう?」

といった疑問をお持ちの飼い主様は非常に多いです。

実は、近年は温暖化や飼育環境の変化により、ノミやマダニの活動期間が長くなる傾向があります。

また、ノミやマダニから感染症にかかると、命に関わるケースがあることをご存じでしょうか。

今回は、犬のノミ・マダニ予防薬の投与期間や感染症、よくある質問についてわかりやすく解説します。

最後までお読みいただき、愛犬のノミ・マダニ予防について理解を深めていただければ幸いです。

犬のノミやマダニの予防はいつから始める?

今までのノミ・マダニ予防では、ノミやマダニが活発な季節である春から秋にかけてのみ投薬することが一般的でした。

しかし、最近は冬でも気温が高く、ノミやマダニの活動期間が長くなる傾向があります。

そのため近年では、予防は季節に限らず通年で行うことが一般的です。

冬になるとノミやマダニが少なくなるのは事実ですが、寄生するリスクはゼロではありません。

まだノミ・マダニ予防を行っていない場合は、早めに動物病院を受診し、予防薬を処方してもらいましょう。

犬へのノミやマダニによる健康被害とは?

ノミやマダニによる健康被害は、寄生することだけではありません。

ときには、愛犬だけでなく飼い主様へも感染する病気を媒介する可能性があります。

ノミとマダニによる健康被害をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

①ノミによる主な健康被害

まず、ノミが寄生した際によく見られる健康被害としては、

  • ノミアレルギー性皮膚炎
  • 吸血による貧血
  • 瓜実条虫の感染

といったものが挙げられます。

お散歩に出ない犬でも、人間が室内にノミを持ち込むケースがあるため、毎月欠かさず予防を行うことが大切です。

また、ノミは一度室内に侵入すると駆除するのにかなりの手間と時間がかかるため、特に注意しましょう。

②マダニによる主な健康被害

つぎに、マダニが寄生した際によく見られる健康被害としては、

  • 吸血による皮膚炎や貧血
  • さまざまな感染症の媒介

といったものが挙げられます。

また、マダニは吸血の際に皮膚へ「口器」という構造を差し込むため、無理にマダニを取ろうとすると、口器が残ってしこりや炎症を起こすことがあります。

マダニの寄生を見つけた場合は、自己判断で処置をせず、必ず動物病院を受診しましょう。

犬にノミやマダニが引き起こす感染症とは?

前述の通り、ノミやマダニはさまざまな感染症を媒介します。

では、具体的にどのような病気を媒介するのでしょうか?

なかには、愛犬や飼い主様の命に関わる病気も含まれています。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

①瓜実条虫

瓜実条虫は、主にノミを介して犬や猫に感染します。

消化管に寄生し、下痢や血便などの症状を引き起こします。

感染が疑われる場合は、便検査にて診断を行い、駆虫薬で治療することが一般的です。

②重症熱性血小板減少症(SFTS)

SFTSは、主にマダニを介して、犬や猫、人に感染します。

近年、国内での感染が拡大している病気で、ある調査では、犬での致死率は約40%と報告されています。

今までは西日本を中心に発生が確認されていましたが、近年では徐々に日本全国に広がりつつあるため、注意が必要です。

③バベシア症

バベシア症は、主にマダニを介して犬や猫に感染します。

赤血球などに寄生し貧血を引き起こす原因となります。

一度感染すると治療が難しいため、感染しないよう予防することが大切な感染症です。

ノミ・マダニ予防についてよくある質問

最後に、犬のノミ・マダニ予防について、よくある質問をまとめました。

Q1.子犬のノミやマダニの予防はいつから始める?

子犬では、生後約2か月頃からノミやマダニの予防を始めることが一般的です。

ただし、体重や健康状態によって時期が異なる場合があるため、自己判断せず、一度獣医師に相談しましょう。

まだお散歩に出ていない子犬であっても、人が室内に持ち込むことによる感染のリスクはゼロではないため、ノミやマダニの予防は必要です。

まだノミ・マダニの予防を始めていない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

Q2.犬のノミやマダニの予防に検査は必要?

基本的にノミやマダニの予防においては、フィラリア予防とは異なり検査は必要ありません。

しかし、ノミ・マダニ予防薬は比較的安全性が高いお薬ではありますが、

  • 持病がある
  • 体調不良が続いている
  • 妊娠中・授乳中である

過去にノミ・マダニ予防薬で副反応が出たことがある

といった場合は、事前に獣医師に相談したうえで予防薬を使用しましょう。

Q3.犬のノミ・マダニ予防薬にはどんなものがある?

現在、ノミ・マダニ予防薬にはさまざまなタイプが使用されています。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

①チュアブルタイプ

チュアブルタイプのノミ・マダニ予防薬は、美味しい味がついていて、おやつ感覚で投薬できる予防薬です。

多くの犬が嫌がらずに食べてくれるため、初めて犬を飼う飼い主様でも与えやすいメリットがあります。

また、製品によっては、フィラリア予防やおなかの寄生虫の予防も同時に行うことができます。

②錠剤タイプ

錠剤タイプのノミ・マダニ予防薬は、一般的なお薬と同じ錠剤の形状をした予防薬です。

粒が小さいため、好きなおやつやトッピングに混ぜて与えることができます。

最近ではフレーバーがついた錠剤タイプの製品もありますので、愛犬に合った予防薬を選んであげましょう。

③スポットタイプ

スポットタイプのノミ・マダニ予防薬は、皮膚に塗布する方法で使用します。

首元などの皮膚に直接滴下することで、成分を皮膚から吸収させる予防薬です。

一番のメリットとしては、飼い主様と犬への投薬のストレスが少ないことが挙げられます。

ただし、使用前には皮膚の状態を確認し、異常がないことを確かめたうえで使用することが重要です。

また、使用後にシャンプーができない、塗布した部位に脱毛が起こる可能性があるなどのデメリットもあるので、注意しましょう。

まとめ

── 浅川先生、近年は温暖化の影響で冬でも油断できないことや、おやつタイプ・スポットタイプなど愛犬の性格に合わせたお薬の選び方まで、本当に細やかに教えていただきありがとうございました。

浅川先生:ありがとうございました。

実際の診察でも冬場の感染ケースは増えています。

大切な愛犬だけでなくご家族の健康を守るためにも、毎月忘れずに予防を続けてあげてくださいね。

愛犬が草むらに顔を突っ込んで嬉しそうにクンクンしている姿や、芝生の上を思いっきり駆け回る笑顔は、見ているだけでこちらの心まで弾んでくるものですよね。

だからこそ、ノミやマダニが媒介する「SFTS」などの怖い病気のお話を聞くと、お出かけすること自体が少し怖くなってしまうかもしれません。

でも、必要以上に恐れてお散歩を制限してしまうのはもったいないことです。

大切なのは、おやつ感覚で美味しく食べられるチュアブルタイプや、体にピトッと垂らすスポットタイプなど、その子の暮らしや性格にぴったりの予防薬を「毎月、通年でしっかりと続けてあげること」。

そんな飼い主様の確かな愛情のステップが、目に見えない外敵から愛犬を優しく守る最強のバリアになります。

これからも獣医師と相談しながら、しっかりと予防の準備を整えて、愛犬との愛おしいお出かけの思い出をたくさん作っていきましょう。