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子どもの主体性はどう育つ?自己主張との違いや大人の関わり方を解説

子どもの主体性はどう育つ?自己主張との違いや大人の関わり方を解説
Expert's Guide

子どもの主体性はどう育つ?自己主張との違いや大人の関わり方を解説

「子どもの主体性を大切に」と聞くけれど、子育ての中では主体性の意味に戸惑うこともあるかと思います。とくに子どもの主体性と自己主張の違いがわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、毎日の育児をより楽しめるヒントを、保育士兼ベビーシッターとして多くの家庭に寄り添う原島円さんに伺いました。子どもの主体性の意味をわかりやすく解説し、自己主張との違いや主体性を育てる上で大人が意識したいポイントを保育士の視点からお伝えします。

主体性を育む子どもへの向き合い方や具体的な言葉がけもご紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

子どもの主体性とは?

子どもの主体性とは、子どもが自分で考え、経験を重ねていく過程のことを指します。主体性があることで、自分に自信をもてるようになり、自己肯定感もアップしていきますよ。

ここでは、子どもの主体性が育つうえで大切にしたい4つの力を説明します。

自分で考え、意見をもつ力

目の前の出来事に対して、自分なりに考えて意見をもつことは大切な経験となります。自分で考える経験の積み重ねは、主体性が少しずつ育まれていくでしょう。

自分で決定する力

「好きな色の服にする」「こっちで遊ぶ」などの選択は、子どもの意思を育てます。自分のことを自分で選択する経験を通して、決めたことに責任がもてるようになり、人との約束を守ることにもつながっていきますよ。

自分の気持ちを表現する力

「できて嬉しい」や「できなくて悔しい」、「挑戦してみたい」などの気持ちを言葉や態度で表現することも主体性の一つです。子どもは誰かに自分の気持ちを伝えようとする過程の中で、自分なりの伝え方や表現方法を学んでいくでしょう。

結果を受け止める力

子どもが自分で選んだり、挑戦した結果は必ずしも上手くいくとは限りません。時には失敗したり、思い通りにいかないこともあるでしょう。

子ども自身が経験を通して学び、「次はこうしてみよう」などと工夫したり、改善策を考えられる力が主体性において重要となります。

参考文献:「子どもの主体性を育む保育」に関する研究 社会福祉法人 日本保育協会

子どもの主体性と自己主張の違い

主体性と迷いやすい行動の一つとして挙げられるのが自己主張です。子どもの主体性と自己主張は似ているようで、少し違いがあります。

ここでは子どもの主体性と自己主張の違いを詳しく解説します。

自分の意思や選択に考えがあるか

主体性にも自己主張にも「自分の思い」があります。明確な違いとしては、主体性は自分なりに考えた上での意思や理由があり、自己主張は自分の考えや意思よりも、感情が表に出ている場合が多いでしょう。

秩序が保たれている

主体性は自分の思いを大切にしながらも、周りとの関係の中でも発揮されます。大人の社会にもルールがあるように、気持ちよく日々を過ごすためには一定の約束ごとが必要ですよね。

自己主張が強く出ている場合は、その場のルールが守られていないことも少なくありません。子どものやりたいことがルールが守られているかという視点で見てみると、主体性との違いが見えてきますよ。

相手のことも尊重できる

主体性が育っていくと、相手の気持ちも少しずつ意識できるようになります。自分だけでなく、相手のことも大切に考えられる姿は主体性の大きな特徴といえるでしょう。

子どもの主体性が育つ経験とは

子どもの主体性を育てるには、子ども自身が安心して過ごせる環境が不可欠です。ここでは子どもが安心できる環境が整っている上で、子どもの主体性が育つ経験を3つご紹介します。

1.小さな選択の積み重ね

「どっちにする?」などと日常の中で選択肢がある経験は、「自分のことは自分できめる」という自己決定力を育てます。子どもが幼少期から自分で決める経験を積み重ねることで、自分の決定に自信が持てるようになりますよ。

2.大人が子どもの力を信じ、待ってあげること

子どもが何かに迷っているときや失敗をしそうな場面では、大人が手助けをする場面もあるでしょう。しかし大人が先回りするのではなく、子ども自身で行動することは、子どもの主体性においてとても大切な経験です。

心苦しく感じることもあるかもしれませんが、大人がじっと待つことも、子どもにとって必要な援助となりますよ。

3.大人に気持ちを受け止めてもらう体験

信頼している大人に「嬉しかったね」や「悔しかったね」、「やりたかったんだね」と、自分の気持ちを言葉にしてもらえることで、子どもは自分の感情を整理できるようになります。

周りの人に理解してもらえた経験は、「失敗しても大丈夫」という安心感となり、自己肯定感につながっていくでしょう。

【具体例】毎日の生活で見る子どもの主体性

子どもの主体性は、日々の生活場面の中で育っていきます。ここからは、毎日の生活の中で見られる4つの具体例を通して、主体性が育つ姿を見ていきましょう。

着る服を自分で選ぶ

「今日はこれがいい」と選ぶ姿は、自分の意思を持つ経験になります。子どもが自分で選ぶ気持ちを大切にしつつ、「これがいいんだね」と子どもの思いに共感してあげたいですね。

遊びを工夫する

積み木を並べ替えたり、遊び方を変えたりする姿は、子どもが自分で考えている証です。大人が介入しなくても子どもは自分なりに考え、楽しい遊びを考えていますよ。

自分の気持ちを言葉にしようとする

「楽しい」や「いやだった」、「やりたかった」と伝えようとする姿は、自己表現の一つです。うまく言えなくても、その姿勢を認め、受け止めてあげることが大切です。

子どもの主体性を育てる大人の関わり方は?

子どもの主体性を育てるためには、大人の関わり方も大きなポイントになります。特別なことをするのではなく、少し視点を変えるだけで子どもの姿は変わっていきますよ。

この章では、子どもの主体性において大人が意識したい関わり方をご紹介します。

できたことを評価するよりも、考えたことや過程を認める

子どもの結果だけに目を向けるのではなく、そこに至るまでの考えや工夫にも目を向けてみましょう。子どもがどのように考え、どんな気持ちで取り組んだのかを認めることが大切になります。

大人に自分のことを認められた経験の積み重ねは、子どもにとって「またやってみよう」という意欲につながっていくでしょう。

子どものペースを大切にして見守る

子どものペースを大切にしながら、自分でじっくり考える時間を保障してあげましょう。大人が先に答えを出すのではなく、子どもの様子を見守り、必要なときに支える姿勢が大切です。

急がせずに見守ることが、子どもの主体性において重要な関わりになります。

大人の都合だけで決めすぎない

時間や効率も必要ですが、子どもが経験する機会を奪いすぎないことも意識したいポイントです。大人が先回りして全てを決めてしまうと、子どもが考えたり挑戦したりする機会が少なくなってしまいます。

子どもの経験の場を大切にすることが、主体性を育てるうえで重要になるでしょう。

子どもの主体性を育てるには日々の関わり方が大切(まとめ)

子どもの主体性は、日々の生活の中で育っていきます。どのように言葉をかけ、見守るかによって、子どもの力は大きく変わっていくでしょう。

まずは大人が子どもの主体性と自己主張の違いを理解し、子どもの姿を受け止めながら関わることが必要です。大人との温かな関わりの中で主体性を育てる土台づくりをしていきたいですね。

原島円さん、子どもの成長の土台となる「主体性」について、優しく噛み砕いた温かいお話をありがとうございました。

「結果よりもそこに至るまでの考えや過程を認める」「大人がじっと待つことも必要な援助」というお話に、ハッとさせられると同時に、肩の力がふっと抜けたような安心感を覚えた方も多いのではないでしょうか。完璧な子育てを目指して先回りするよりも、子どもが自分で選んだ小さな一歩を信じて待つ余白こそが、心地よい安心感を子どもに与えるのですね。

すぐに上手くいかなくても、その試行錯誤のプロセスすべてが、愛おしい家族の思い出であり成長のステップ。焦らずにお子様のペースに寄り添いながら、親子でたくさんのワクワクや「できた!」を共有していきたいですね。