
【助産師監修】発達を促す“手の使い方”の育て方|0〜2歳で大切にしたい関わり

目の前のおもちゃを一生懸命につかもうとしたり、指先で小さなおやつを丸めようとしたり。
赤ちゃんの何気ない手の動きを見ていると、「うまく使えているのかな」「手先が不器用なのかな」と、ふと不安や疑問がよぎる瞬間があるかもしれません。
初めてのことばかりの毎日では、小さな変化ひとつひとつに気持ちが揺れてしまうのもごく自然なことです。
今回は、0〜2歳のお子さんの手の発達のプロセスと、日常の中でゆったりと育む関わり方のヒントについて、助産師の賀茂綾乃さんに教えていただきました。
「手は第二の脳」——手の発達が育てるもの
赤ちゃんの小さな手の動き。思わず「かわいいな」と見ているだけで終わってしまいがちですが、その動きにはとても大切な意味があります。
「手は第二の脳」と言われるように、手を使うことは脳の働きと密接に関係しています。赤ちゃんが何かをつかもうとするとき、実は次のような流れを経験しています。
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目で対象を見る
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どう動かすかを考える
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手を伸ばして動かす
この一連の動きは、単なる運動ではなく「認知」と「行動」を結びつける重要な経験です。つまり、手を使うことは「考える力」や「理解する力」を育てる入り口でもあるのです。
繰り返し手を使うことで、脳の神経回路が発達し、「こうすればできる」という学びが積み重なっていきます。日常の中の小さな手の動き一つひとつが、将来の思考力や問題解決力の土台になっていくのです。
手の発達は「握る→つまむ→操作する」と進む

赤ちゃんの手の使い方には、発達に応じた段階があります。それぞれの時期に応じた特徴を知ることで、成長をより安心して見守ることができます。
■ 握る(0〜6か月頃)
この時期は「つかむ」ことが中心です。
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指をぎゅっと握る
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目の前のおもちゃをつかむ
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手に触れたものを反射的に握る
最初は反射的な動きから始まり、徐々に自分の意思で手を伸ばしてつかむようになります。「持つ」という感覚を覚える大切な時期です。
■ つまむ(7〜10か月頃)
次に発達するのが「つまむ」動きです。
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指先で小さなものをつまむ
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食べ物を手づかみする
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親指と人差し指を使う
いわゆる「ピンセットつまみ」ができるようになり、指先の細かい動きが発達します。この時期は、手先の器用さの基礎が育つ重要なタイミングです。
■ 操作する(1歳以降)
1歳を過ぎると、手は「考えて使う道具」へと進化していきます。
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ボタンを押す
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フタを開ける
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物をひねる・回す
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おもちゃを目的に合わせて使う
「どうすれば動くか」を考えながら手を使うようになり、より高度な認知と結びついていきます。この段階では、成功や失敗を繰り返しながら学ぶことがとても大切です。
0〜2歳でできる、手を育てるやさしい関わり

手の発達を促すために、高価なおもちゃや特別な教材は必要ありません。日常生活の中にこそ、たくさんの成長のチャンスがあります。
ここでは、すぐに取り入れられる関わり方をご紹介します。
■ ① つかむ・離す遊び
基本となるのはシンプルな動きです。
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おもちゃを手渡す
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箱に物を入れる・出す
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ボールを持って離す
「つかむ」「離す」を繰り返すことで、手のコントロール力が育ちます。遊びながら自然に経験を重ねることができます。
■ ② つまむ遊び
指先を使う経験を増やすことも大切です。
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小さなおやつをつまむ
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シールをはがす・貼る
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紙をめくる
こうした遊びは、集中力や手先の器用さを育てるだけでなく、「できた!」という達成感にもつながります。
■ ③ 「やってみたい」を大切にする
特に大切なのが、子どもの「やりたい気持ち」を尊重することです。
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ペットボトルを開けようとする
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お菓子の袋を自分で開ける
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フタを回して外そうとする
大人からすると「やってあげたほうが早い」と感じる場面も多いですが、実はこうした行動こそが発達のチャンスです。
時間がかかっても、
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まずは見守る
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難しそうなときだけ少し手を添える
この関わりが、「自分でできた」という成功体験につながります。この積み重ねが、自己肯定感や挑戦する力を育てていきます。
手を使う経験が、未来の力につながる

手の発達は、単に器用になるためだけのものではありません。
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考える力
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理解する力
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問題を解決する力
こうしたさまざまな力の土台となります。
そしてその成長は、特別なことをしなくても、日常の中で自然に育まれていきます。「やってみたい」という気持ちを大切にし、小さな挑戦を見守ること。それが、子どもの未来につながる大きな一歩になります。
少し時間がかかっても大丈夫。
うまくできなくても問題ありません。
ひとつひとつの経験が、確実に子どもの力になっています。
今日からぜひ、「やってあげる」から「見守る」へ。
その優しい関わりが、発達をしっかりと支えていきます。
まとめ
賀茂さん、ありがとうございました。
「手を使うこと」は特別な練習をするのではなく、日々の「やってみたい」という小さな意欲を見守り、寄り添うことの積み重ねなのだと気づかされますね。
手助けしたくなるときもありますが、最初からスムーズにできなくても大丈夫。
焦らずにお子さんのペースに合わせながら、小さな挑戦を温かく見守っていけたらいいですね。
今日からの日々が、ご家族にとってゆったりとした愛おしい時間になりますように。
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