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愛犬や愛猫の健康を守るために!動物病院との付き合い方

愛犬や愛猫の健康を守るために!動物病院との付き合い方
Expert's Guide

愛犬や愛猫の健康を守るために!動物病院との付き合い方

愛犬や愛猫の元気に過ごす姿を見るのはとても幸せなことですが、「少し体調が気になるとき、どのタイミングで診てもらうべきなのかな」「病院に行くのを嫌がるけれど、どう対応したらいいのだろう」と悩むこともありますよね。

動物病院は少し緊張してしまう場所かもしれませんが、上手に付き合っていくことで、愛犬や愛猫の健やかな毎日を支えてくれるとても心強いパートナーになってくれます。
今回は、動物病院との上手な向き合い方や受診時のポイントについて、獣医師の葛野莉奈さんに伺いました。

 

動物病院と聞いて、「嫌い」と感じる犬や猫は多いのではないでしょうか。

実際、動物病院は病気の治療や予防注射、採血などを行うため、動物にとって辛い経験になりやすいかもしれません。

一方で、動物病院の獣医師や看護師は、健康管理や病気に関して専門的な知識を持ったプロフェッショナルです。

普段から愛犬や愛猫の様子をよく観察している飼い主さんと協力すれば、病気を早く見つけたり、日常生活を見直して負担を減らしたりできるでしょう。

このように、動物病院はペットが健康に長生きするための心強いパートナーになれる存在です。

動物病院ってどんな場所?

「動物病院は、病気になったときだけ行く場所」と考えていませんか?

実は、それだけだと犬や猫が動物病院を怖い場所だと感じやすくなり、充分に活用できなくなる可能性があります。
動物病院のスタッフは、犬や猫の生態や健康管理について詳しいプロフェッショナルです。
飼い主さんが抱えるちょっとした悩みや疑問にも、解決のアドバイスをしてくれる頼もしい存在となり得ます。

また、元気なうちから動物病院に連れて行き、愛犬や愛猫が健康なときの状態を獣医師と一緒に確認しておくことは、体調の小さな変化を早く見つけるために大切です。


犬や猫が痛みや嫌なことのない診察を繰り返すことで、動物病院のスタッフや飼い主さんはもちろん、犬や猫自身も信頼関係を築きやすくなります。


その結果、動物病院へ行くことへの負担も軽くなるでしょう。

では、病気の診察以外に動物病院ではどのようなことができるのでしょうか。

体重測定

痛みや嫌なことを伴わずに動物病院でできることのひとつに、体重測定が挙げられます。

自宅でも飼い主さんが抱っこしたり、ベビースケールなどを使ったりして体重を測定できますが、動物病院の体重計は動き回る犬や猫でもより正確に計測できる専用の機器です。

定期的に動物病院で体重を量ることで、より正確な体重を把握できるでしょう。

さらに、肥満かどうかを調べるために「ボディコンディションスコア」と呼ばれる基準があります。

これは骨格の見え方や体の肉付きなどを見て評価する方法です。

体重測定とあわせて、スタッフが直接愛犬や愛猫に触れてチェックすることで、体格をより正確に評価できるでしょう。

スタッフと犬や猫の間で信頼関係が生まれやすくなるという効果も期待できます。

日常ケア

中には少し苦手に感じる子もいるかもしれませんが、日常のケアのために動物病院へ定期的に通うことも可能です。

家庭では、飼い主さんに甘えてしまったり、不慣れなことから、爪切りや耳掃除をなかなかさせてくれない場合もあるのではないでしょうか。

しかし、動物病院でプロに任せれば、家庭で行うより短時間でケアができるというメリットがあります。

また、器具が揃っているため、万が一けがや体調の変化があったときにも、すぐに対応してもらえることも大きなメリットと言えるでしょう。

体に触れられるのが苦手な子は、そうしたケアが嫌になりやすいですが、体重測定などとあわせて、動物病院のスタッフとの信頼関係ができると少しずつ慣れてくれる可能性も高まります。

もちろん、飼い主さんが家庭でケアを行うことも大切です。

動物病院という場所に慣れさせる方法として、嫌なことと感じにくい日常ケアを定期的に動物病院で行うのも、慣れるための有効な手段と言えるでしょう。

予防

愛犬や愛猫の健康を守るためには、予防がとても大切です。

ウイルスや細菌による病気の予防だけでなく、寄生虫対策など、飼い主が行うべき予防にはさまざまなものがあります。

たとえば、予防接種は愛犬や愛猫にとって嫌な経験になりがちですが、薬をもらうために定期的に動物病院へ受診することで、動物病院に慣れやすくなる場合もあります。

また、定期的に通院することで体重測定をしたり、飼い主が気づかなかった小さな変化に病院のスタッフが気づいてくれるかもしれません。

さらに、事前に許可を得ていれば、経口タイプの薬をその場で飲ませてもらったり、滴下タイプの外用薬を病院スタッフに滴下してもらうことも可能な場合があるでしょう。

知っておきたい!動物病院のマナー

動物病院に慣れて、定期的に通うことは、愛犬や愛猫の健康を守るために有意義です。

しかし、愛犬や愛猫が健康であればあるほど、動物病院には元気な子だけでなく、病気や命にかかわる状態の子もいることをつい忘れてしまいがちでしょう。

誰もが平等かつ快適に獣医療を受けるためには、マナーを守ることが大切です。

では、具体的にどのようなマナーを守るべきなのでしょうか。


必ずリードやキャリーケースを使用して


動物病院に慣れている場合でも、体調の変化や処置の際には、愛犬や愛猫がパニックになり逃げ出そうとすることがあります。

逃走や他の犬や猫とのトラブルを防ぐための対策は、飼い主さんにとって大切な果たすべき責任です。

家庭で過ごしているときとは精神的にも体の状態も異なることを理解し、愛犬や愛猫が院内で安心して過ごせるよう、必ずリードやキャリーケースを使いましょう。

また、怖がりな性格や家の外に慣れていない犬や猫の場合は、パニックになることも想定した対策が必要です。

犬の場合はリードを二重にする、猫の場合は洗濯ネットに入れてからキャリーケースに入れるといった工夫が、トラブルの防止に有効です。

猫は狭い場所に入ることで安心する性質があるため、洗濯ネットで体を固定することは、動きを制限できるだけでなく、猫自身に安心感を与えるメリットもあります。

さらに、キャリーケースにも普段から慣れさせておくことで、その場所を落ち着ける空間として認識させられます。

これにより、動物病院のような緊張する場所でも、キャリーケースの中なら安心できるという精神状態に導けるでしょう。

そのおやつ、本当に食べて大丈夫?

病院を楽しい場所だと感じてもらうためには、おやつを使用することはとても効果的です。

しかし、診察内容によってはおやつを食べてはいけない場合もあります。

ごほうびとしておやつをあげたいときは、まず動物病院のスタッフに、受診後などにおやつを与えてもよいかどうかを確認してみてください。

与えても問題ないかだけでなく、もし体調に不安がある場合は、負担の少ないおやつについてもアドバイスをもらえることもあるでしょう。

さらに、おやつをあげる場所にも注意が必要です。

中には食べたいおやつを我慢して病院に来ている犬や猫もいます。

自分の愛犬や愛猫にあげたおやつが理由で、ほかの動物とトラブルになってしまうことも考えられます。

そのため、診察室で終わった後におやつをあげるべきか、病院の外に出てから与えたほうがよいのかについても、スタッフに相談しておくと安心です。

いろいろな子がいることを忘れずに

愛犬や愛猫の性格をきちんと把握していますか?

動物が好きな子や人が好きな子、警戒心が強い子、自分を守るために攻撃的になる子など、性格は本当にさまざまです。

動物病院には、多くの犬や猫が集まります。健康な子だけではなく、体調が悪くて飼い主さんも犬や猫も大きなストレスを感じている場合もあります。

また、同じような犬や猫が周りにいることで、「友達になりたい!」という気持ちが生まれることもあれば、逆にそっとしておいてほしいと感じる子もいるでしょう。

感染症にかかっている犬や猫が来院している可能性も考えられます。

さまざまな性格や体調の犬や猫が集まっていることを理解し、他の犬や猫と距離をとる配慮が大切です。

もし、愛犬や愛猫が他の犬や猫、人が苦手な場合は、予約時にスタッフに相談してみましょう。

できるだけ他の予約と重ならない時間帯に調整してもらえることもあります。

動物病院での受診をより充実させるためにどんな準備が必要?

動物病院に行くのであれば、できるだけ有意義な時間にしたいものです。

診察を待っている犬や猫たちがいたり、ほかの飼い主の存在が気になったりして、本当は質問したかったことが聞けなかったり、家に帰ってから何を話したのか忘れてしまうことはよくあります。

そのため、限られた診察時間の中で気になることをしっかり相談できるよう、事前に準備をしておくと、より充実した時間を過ごせるでしょう。

必要な情報はしっかりまとめて

有意義な診察にするためには、気づいた変化などをあらかじめメモにまとめておくと、伝え忘れがなく安心です。

まとめる際は、5W1H(いつ・どこに・何が変化したのか・誰が気づいたか・なぜそうなったのか・どのように感じるか)に、注意してみましょう。

具体的には、

  • いつから
  • どの部位に
  • 何を(何が変化しているのか)
  • 誰が気づいたか
  • なぜ(思い当たる原因や、なぜ気になったのか)
  • どのように(どのような変化として感じているか)

を書くと、変化が起きた時系列や診察で確認すべき内容が整理されます。

そのため、獣医師とのやり取りもスムーズに進む可能性が高くなるでしょう。

さらに、診察時に忘れずに聞きたいこともメモしておくと有意義です。

言葉でうまく伝えにくい場合には、写真や動画を活用するのも良い方法です。

診察に必要な素材を持参する

気づいた変化を整理し、情報として伝えやすくしたら、次に原因を探る際に必要な素材も準備しましょう。

動物病院では、原因を明らかにするために検査を行うことが一般的です。

ただし、どんな検査が必要かは、気づいた変化や症状によって異なります。

飼い主さんが自分だけで必要な検査や持ち物を判断するのは難しい場合が多いでしょう。

そこで、病院の受診を決めて予約を取るときには、事前に電話で動物病院のスタッフに相談し、確認することをおすすめします。

もし予約が必要ない場合でも、前もって電話で受診の予定を伝えたり、用意しておくべきものを教えてほしいと頼んだりすると、必要なものを案内してもらえるでしょう。

また、便や尿などを自分で採取するのが難しいときも、事前に相談してみましょう。

代わりの方法や診察時に検体の採取のために予約時間を調整するなど、柔軟に対応してもらえる可能性があります。

滞在時間を把握しよう!ストレスなく過ごせる準備を

検査や処置の内容によっては、どうしても病院での滞在時間が長くなることもあります。

また、不安な気持ちで長い時間待つ必要が出てくる場合もあるでしょう。

実際に犬や猫の様子を確認しないと、どのような検査や治療が必要かを決めることはできません。

しかし気づいた変化を病院側に伝えたうえで、どれくらい時間がかかるかを事前に尋ねることはできます。

たとえば、健康診断で多くの項目を検査する場合は、時間がかかることもあるでしょう。

予約の際に相談しておくと、おおよその診察や待ち時間を教えてもらえるかもしれません。

もし待ち時間が長くなりそうな場合には、犬や猫が不安な時間を少しでも落ち着いて過ごせるよう、普段使っているものをキャリーケースに入れてあげるとストレスを軽減できる可能性があります。

おもちゃやブランケットなど、愛着のあるものを持参すると良いでしょう。

まとめ

犬や猫は動物病院を苦手と感じることが多いですが、活用の仕方次第で動物病院は心強い味方になることもあります。

マナーを守って上手に利用することで、多くの有益な情報を手に入れられるでしょう。

キャリーバッグやブランケットなど、市販のグッズを活用することで、マナーを守りやすくなり、愛犬や愛猫のストレスも軽減できます。

このような工夫を重ねながら、動物病院とうまく付き合っていくことが、愛犬や愛猫の健康に長生きすることにもつながっていきます。

 

葛野さん、ありがとうございました。

動物病院は「病気になったときだけ行く場所」ではなく、日常の些細な相談をしたり健康な状態を確認したりする大切な場所なのだと実感しますね。

一度に完璧に準備しようと身構える必要はありません。

気になることを少しメモしてみる、日頃から病院に慣れておくなど、できることから一つずつ試してみてはいかがでしょうか。

愛犬・愛猫とご家族にとって、動物病院がいつでも安心して頼れる場所になりますように。