
赤ちゃんの食べムラはなぜ起こる?離乳食期に多い理由と見守りポイントを解説
「離乳食が順調に進んでいたのに、ある日突然あまり食べなくなった」そのような経験をしたことのあるママ・パパは多いのではないでしょうか。
「昨日まで食べていたのに、なぜ?」「栄養は足りているの?」「どこか体調が悪い?」と心配になることもあるでしょう。
しかし、離乳食期の赤ちゃんには、食べる量に波があることは珍しいことではありません。成長や発達の変化によって、食事量が一時的に減ることもあります。
今回は、そんな離乳食期の大きな悩みのひとつである「食べムラ」について、管理栄養士の佐藤先生にお話を伺いました。食べムラが起こる理由を理解し、必要以上に不安にならず見守るためのポイントをご紹介します。
赤ちゃんの食べムラは珍しいことではない
赤ちゃんの食事量は、毎日同じとは限りません。大人でも「今日はあまりお腹が空かない日」「今日はよく食べたい日」があるように、赤ちゃんにも波があります。
また、赤ちゃんは大人よりも自分に必要な量を調節する力があるともいわれています。
そのため、「昨日までよく食べていたのに今日は少ない」といったこと自体は、必ずしも心配なこととは限りません。
赤ちゃんの食べムラにはいくつかのタイプがある

食べムラの理由はひとつではありません。赤ちゃんの様子を見ていると、いくつかのパターンに分けられることがあります。
それぞれの特徴を知っておくと、食べないときにも落ち着いて対応しやすくなります。
成長・発達タイプ
離乳食中期(生後7~8か月ごろ)から後期(生後9~11か月ごろ)は、赤ちゃんの発達が特に大きく進む時期です。
おすわりが安定したり、ずり這い、ハイハイ、つかまり立ちをするようになったりと、新しい動きがどんどん増えていきます。
こうした変化の時期には、体を動かすことへの興味が強くなり、食事よりも周りのものに関心が向き始めることがあります。
離乳食期によく見られる「中だるみ」のような状態も、この発達の変化が関係していると考えられるでしょう。
また、赤ちゃんの成長は毎日同じペースではありません。食欲がある日があれば、あまり食べない日があるのも自然なことです。
気分・環境タイプ
赤ちゃんは、とても好奇心が旺盛です。たとえば次のような理由でも、食事に集中できなくなることがあります。
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周りに気になるものがある
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眠くなってきた
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今は食べる気分ではない(遊びたい)
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食事に飽きた
この場合は、食事の内容だけでなく、食事の環境を整えてあげることが大切です。
テレビを消したり、おもちゃを片づけたりして、食事に集中しやすい環境を作ることで、食べ方が変わることもあります。
食感・味の好みタイプ
離乳食が進むと、赤ちゃんの舌の感覚も発達していきます。
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パサパサした食感が苦手
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酸味のある味が苦手
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かたいものが食べにくい
上記のように、味や食感によって反応が変わることもあります。
この場合は、調理方法や味付けを少し変えてみたりバリエーションを増やしてみたりするとよいでしょう。
たとえば、
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とろみをつける
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やわらかく煮る
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好きな食材と組み合わせる
などの工夫が役立つこともあります。
食べムラがあるときの「見守りポイント」

食事量が減ると、「栄養が足りていないのでは」と不安になることもあります。
しかし、赤ちゃんの食事は1食ごとに完璧である必要はありません。
栄養は1食単位で考えなくてOK
前述の通り、赤ちゃんは日によって食べる量が変わることがあります。
朝はあまり食べなかったとしても、昼や夜はよく食べたり、翌日はしっかり食べたりすることもあります。
そのため、1食の量にこだわるよりも、数日から1週間くらいの単位でおおよなる食事量を見ていくことが大切です。
食事量だけでなく赤ちゃんの様子全体を見る
食事量が減って不安になっても、次のような様子が見られる場合は、過度に心配しなくてもよい場合が多いでしょう。
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元気に遊んでいる
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機嫌がよい
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水分がとれている
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体重が極端に減っていない
食事量だけで判断するのではなく、赤ちゃんの様子全体を見ることも大切なポイントです。
生活リズムを見直す
赤ちゃんはまだ体内リズムが発達途中のため、生活リズムの乱れが食欲に影響することもあります。
もし、食事の時間が毎日大きく変わっていたり、食事の直前におやつや母乳・ミルクを与えている場合、十分にお腹が空いていないのかもしれません。
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食事の時間に大きなズレはないか
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お腹いっぱいの状態になっていないか
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日中に体を動かして遊べているか
上記の点を確認してみましょう。散歩に出かけたり、家の中でも体を動かして遊ぶことで、お腹が空きやすくなります。
【すぐに試せる】食べムラが気になるときに使えるテクニック

食べムラが気になるときは、ちょっとした工夫で食べやすくなることもあります。
ここでは、管理栄養士として保育園で勤務していた際に、私が実際に行っていた食べムラ対策のテクニックを紹介します。
ひとつの方法として、参考にしてみてください。
食材の大きさや味付け、食感に変化を出してみる
赤ちゃんは、食材の大きさや食感が少し変わるだけでも、食べ方が変わることがあります。
たとえば、細かく刻んでいたものを少し大きめにしてみましょう。反対に、食べにくそうな場合は、やわらかく煮たりとろみをつけたりするだけでも変化がつきます。
「この食べ方が正解」と決めつけず、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ調整してみましょう。
食べる順番を変えてみる
いつもと同じメニューでも、食べる順番を少し変えてみると、気分が変わって食べ進めやすくなることがあります。
たとえば、いつもはおかゆなどの主食からあげている場合は、今日はデザートの果物やヨーグルトなどからあげてみましょう。
好きなものからあげてみると、食欲が高まり食べが良くなるかもしれません。
手づかみ食べを取り入れてみる
月齢によっては、スプーンで食べるよりも手づかみの方が食べやすいこともあります。
小さなおにぎりややわらかく茹でた野菜スティックなど、赤ちゃんが自分で食べやすい形にするのもおすすめです。
赤ちゃんにスプーンを持たせてみる
食事の際、赤ちゃんに使わないスプーンを持たせてみましょう。
まだスプーンを持てない月齢の子でも、ママやパパと同じものを自分も持つことで、食事に参加している感覚が生まれ、食べ進めやすくなることがあります。
食器を変えてみる
赤ちゃんは、新しいものに興味を持ちやすい傾向があるため、食器やスプーンを変えてみると気分が変わることもあります。
普段と違う色のものを使うだけでも、興味を示して食べ進めるきっかけになるかもしれません。
次のひと口を見せてみる
赤ちゃんが食べることに興味が向いていないときは、スプーンですくった次のひと口を見せてから、口元に運んであげる方法もあります。
「次はこれだよ」と見せながらやさしく話しかけてあげると、次に起こることがわかり、安心できます。
食べムラのときに避けたい対応

赤ちゃんが思うように食べてくれないと心配になるものの、無理な対応は食事への苦手意識につながることがあります。
たとえば、次のような対応はできるだけ避けましょう。
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追いかけて食べさせる
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長時間食事を続ける
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食べないことを理由に好きなものだけを出す
食事は「楽しい時間」と感じられることが何よりも大切。食べないときは無理に続けず、20~30分程度で切り上げることもひとつの方法です。
まとめ
離乳食期の赤ちゃんに見られる食べムラは、成長や発達の変化の中でよく見られるもの。発達による興味の変化、食感の好み、食欲の波など、さまざまな理由が関係しています。
1食の量にとらわれすぎず、数日から1週間ほどの単位で様子を見ながら、赤ちゃんのペースを大切にしていきましょう。
もし長期間食事量が極端に少ない場合や、体重の増え方が気になる場合は、小児科や専門家に相談することも安心につながります。
赤ちゃんの成長を見守りながら、無理のないペースで離乳食を進めていくことが大切です。
管理栄養士の佐藤先生、赤ちゃんの目線に立った温かく具体的なアドバイスをありがとうございました。
「食べムラは、赤ちゃんが周りの世界に興味を持ち始めた証拠」というお話を聞いて、とても心が軽くなりました。食べない姿を見るとつい不安になってしまいますが、それは赤ちゃんが順調に成長しているからこそ見られる変化のひとつなのですね。
先生が教えてくださった、スプーンを持たせてみたり、食べる順番を変えてみたりする工夫なら、今日からでも気軽に試せそうです。うまくいく日もあれば、思うようにいかない日もあるかもしれませんが、赤ちゃんに合った方法を探していけるといいですね。



