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【助産師監修】「まだ話さない…」と不安なママへ。ことばが育つ本当の土台とは?

【助産師監修】「まだ話さない…」と不安なママへ。ことばが育つ本当の土台とは?
Editor's Note

【助産師監修】「まだ話さない…」と不安なママへ。ことばが育つ本当の土台とは?

周りの子と比べてふと焦ってしまったり、SNSの情報を見るたびに「大丈夫なのかな」と気持ちが揺れてしまったり

子育てのなかで、ことばの発達に対する心配はとても大きくなりやすいものですよね

一人でかかえ込んでしまうようなその不安も、わが子を大切に想っているからこその、とても自然な気持ちなのだと思います

今回は、乳幼児健診にも関わる助産師の賀茂綾乃さんに、ことばの発達の「本当の土台」についてお話を伺いました

心が少し軽くなるようなヒントになれば幸いです。


「話す=ことばの発達」ではないという考え方

「もう1歳なのに、まだ“ママ”って言わない…」
そんなふうに不安になる気持ちは、とても自然なことです。

でも実は、ことばの発達は“話し始めるずっと前”から始まっています。

ことばとは単に音を出すことではなく、
「人と気持ちをやりとりする力」のこと。

たとえば——
・目が合う
・声をかけると振り向く
・表情を見て笑う
・何かを伝えようとする

こうした一つひとつの姿は、すべてことばの土台です。

発語は、その積み重ねの先にある“結果”のようなもの。
だからこそ、「まだ話さない」という一点だけで判断しなくて大丈夫です。

今見えている関わりや反応こそ、しっかり育っている証。
まずはそこに目を向けてみてください。


ことばの土台をつくる3つの大切な力

発語の前には、「目に見えにくいけれど、とても大切な力」が育っています。
この視点を知るだけで、子どもの見え方が大きく変わります。

① 共同注視(同じものを見る経験)

赤ちゃんと同じものを見るとき、
「あ、ワンワンだね」
「赤いね」
と自然に声をかけていませんか?

このとき赤ちゃんは、
「この人と同じものを見ている」
「この音(ことば)はこれを指している」
ということを学んでいます。

これは、ことばの理解のスタート地点。
“共有する経験”が、ことばを意味あるものにしていきます。


② 指さし(伝えたい気持ちのあらわれ)

赤ちゃんの指さしは、とても大切なサインです。

「見て!」
「これ好き!」
「一緒に感じたい!」

そんな思いがぎゅっと詰まっています。

指さしは、ことばになる前のコミュニケーション。
すでに「伝える力」はしっかり育っているのです。

このとき大人が応えてあげることで、
「伝わるってうれしい」
という体験が積み重なり、ことばへとつながっていきます。


③ 真似っこ(模倣)

バイバイ、拍手、音まね(「あー」「うー」など)。

赤ちゃんが大人の動きや声を真似する姿、かわいいですよね。

これはただの遊びではなく、
「見て、理解して、再現する」という高度な力です。

ことばは、
「聞く → 理解する → 真似る」
という流れで育ちます。

この“真似っこ”が、発語への大切な橋渡しになっています。


ことばを育てる「絵本の読み聞かせ」という時間

ことばの土台を育てる関わりのひとつに、絵本の読み聞かせがあります。

■ 読み聞かせは「ことば」と「心」を育てる

家庭での読み聞かせは、
・語彙の発達
・気持ちを理解する力
と関係していることが知られています。

つまり絵本は、単にことばを覚えるためのものではなく、
「人と気持ちを分かち合う力」を育てる時間でもあります。


■ 「一緒に見る」が自然に生まれる

絵本の時間には、
・同じページを見る
・同じ絵に注目する
・同じことばを聞く
という“共有体験”が自然と生まれます。

これはまさに、ことばの土台となる「共同注視」そのものです。


■ 上手に読まなくて大丈夫

「ちゃんと読まなきゃ」と思わなくて大丈夫。

ページをめくる
指をさす
「これなに?」と話しかける

そんな何気ないやりとりの中に、ことばの芽はしっかり育っています。

大切なのは“うまく読むこと”ではなく、“一緒に楽しむこと”です。


今日からできる、やさしい関わり方3つ

特別なトレーニングは必要ありません。
日常の中の関わりこそが、いちばんの土台になります。

① 「一緒に見る」を意識する

赤ちゃんが見ているものに目を向けてみましょう。
「同じものを見ている」という経験が、ことばにつながります。

② 指さしに応える

赤ちゃんが指をさしたら、
「見つけたね」
「ワンワンいるね」
と応えてあげてください。
“伝わる喜び”が、次のことばを育てます。

③ 真似っこを楽しむ

赤ちゃんの声や動きを真似してみましょう。
それは、会話のはじまりです。


ことばは“安心できる関わり”の中で育つ

ことばの発達は、「早い・遅い」だけでは測れないものです。

・一緒に見る
・伝えようとする
・真似する
・気持ちを分かち合う

こうした経験が少しずつ重なり、やがてことばとしてあふれ出します。

「まだ話さない」と不安になる日もあると思います。
でも、今目の前で起きているやりとりこそが、何より大切な土台です。

焦らなくて大丈夫。
その子のペースで、確実に育っています。

どうかその時間を、安心して楽しんでくださいね。

まとめ

賀茂さん、ありがとうございました

 「話すことだけがことばではない」という言葉に、ふっと肩の力が抜けるような心地がしました

目を合わせたり、同じものを一緒に眺めたりする日々の何気ない関わりすべてが、ちゃんとことばの土台になっているのですね

焦ったり完璧を目指したりしなくても大丈夫

お子さんのペースを温かく見守りながら、今だけの愛おしいやりとりを、どうか安心して楽しんでいけますように。